ギヤボックスの全てのギヤとベアリングを検査するには、ボアスコープの操作方法だけでなく、ギヤボックスの構造を理解したアプローチと診断知識が必要です。弊社施設のギヤボックスで技術を習得したあと、ご要望に応じて風車サイトでのトレーニングを実施します。さらに、ギヤボックス構造の理解、潤滑系(フィルタや冷却系)の理解、ベアリングの知識や損傷対策、潤滑油分析などの教育プログラムも提供しています。
トレーニング施設の2MWギヤボックスで基本構造を理解して頂いた上で、マンツーマン方式で遊星部(キャリア及び遊星ベアリング)と低中高速部ベアリングにボアスコープでアプローチする方法を2日間でしっかりと習得して頂きます。トレーニング施設ではOLYMPUSのボアスコープ(IPLEX NX)を使用します。
トレンド分析のために検査記録を確実に残すことが重要ですので、クラウドAIソフトを使ったボアスコープ報告書作成を体験頂くことが出来ます。
弊社施設でのトレーニング後にオプションとしてお客様の風車サイトでの実践的なボアスコープトレーニングも実施可能です。
トレーニングの実施予定:
2024年10月17日ー10月18日(受付締切)
2024年11月14日ー11月15日(受付締切)
2024年12月19日ー12月20日(受付中)
2025年1月16日ー1月17日(受付中)
2025年2月20日ー2月21日(受付中)
お申込み・お問合せ: jhanbaibu@san-ai-obbli.com
2023年12月21日と22日の二日間、三愛オブリ八潮市施設の2MWギヤボックスを使い、風力事業者様ご担当者2名にボアスコープ検査トレーニングを受講頂きました。
この2MWギヤボックスは1段遊星ギヤと2段平行軸の一般的な構造で、構造を説明しつつボアスコープで以下の部位の検査スキルを習得頂きました。
遊星ギヤ部:
・キャリアベアリング(ローター側・発電機側)
・遊星ベアリング(ローター側・発電機側)
・リングギヤ
・遊星ピニオンギヤ
・サンギヤ
平行軸部:
・低速ベアリング(ローター側・発電機側)
・中速ベアリング(ローター側・発電機側)
・高速ベアリング(ローター側・発電機側)
受講者全員が全ての部位にアクセスしつつ、各検査部位で5枚以上のボアスコープ画像を撮影頂きました。
撮影後にはクラウドAIソフトで画像レビューをしながら短時間でボアスコープ報告書を完成させる手順を紹介しました。
受講者様からトレーニング後に以下のコメントを頂いています。
① ボアスコープ画面では上下左右が分からずギヤボックスの構造を知っていてもボアスコープが何処に向かっているか分からなくなるので慣れが必要である。
② 初めてボアスコープトレーニングをする場合は、地上のギヤボックスを使う事で安全かつ確実なスキル獲得を狙う方が良い。実際の風車では発電ロスだけでなく破損リスクがともなう。
③ ベアリングやギヤの画像はどの部位も似通っているため三愛方式のボアスコープ撮影は画像分類・時短・トレンド分析に効果的である。
④ クラウドAIソフトを使ったボアスコープ画像の履歴管理・報告書作成は技術者のデスク時間を削減すると同時に、ギヤボックスのメンテナンス計画策定に効果を発揮しそうである。また、ギヤボックス以外の点検履歴管理・報告書作成にも活用できると有難い。(ギヤボックス以外の対応は可能)